Bad Summer Day Blues

「感情を高ぶらせてペン先から煙を出すためにはそれなりの覚悟ってヤツが必要だ」

OPNとポップ(不完全)

OPN新作 "Age Of" のレビューを書かせていただきました。UNCANNYにて公開中。

uncannyzine.com

 レビューを書く為に早い段階から音源を聞かせていただいていたのだけれど(主従関係が逆という説も存在する)、その時に使ったPromojukeboxというサービスが上手く機能しなかったためかiPhoneで気軽に聴けず、結果としてPCと向き合う時だけ聴けるというなんか神聖な感じが醸し出された。でも結局日本先行リリース日には間に合わず、最後の方はSpotifyで流し聞きしながら書いていた(筆が遅いのと乗らないのとでこれで飯を食っていける将来は全く浮かばない。UNCANNYいつも優しくてありがとう)。いつもの通り、アルバムを紐解く一助にはならないと思うけどとはいえ読み物としてそこそこ楽しんでくれれば幸いです。音源は音源で僕はとても好きでした。

 今回は本当に難産だったのと、書き上げて数日経った今でも一体どこに主軸があるのかあんまりハッキリしない。締め切りが無ければ何も書けず何も産まれないという「逆『虹の彼方に』状態」に陥るところだった。とはいえ、アートワークの付けられ方からツアーの異常なコンセプト、そしてOPNの執拗なまでの外壁の固め方からして「これは"Age Of"ってことは"Age Of"についての作品なんだろうな」ということは分かった。あとはいただいた資料とか、今自分が気になっているところとかの部分をくっつけながら、どうにか複雑骨折に至りながらも書くことが出来た。つまりはだいたいいつもの通りということです。

 全然関係ないんだけど昨今のヴェイパーウェイヴ的懐古主義を表層だけ抜き取ってポップに繕っているイベントフライヤーとかのあの感じがどうも受け入れられなくて、あとは並列にして語っていいのかはわからないけどニコ動とかで未だに盛り上がってる淫夢ネタみたいなのも発言を追う分には何も思わんけど確かにこれって良いのかみたいな問題があって、つまりこう言われたら→こう返す、っていうルーチンのレスポンスが備わっていて、そこに本質を考える能力が欠落してしまっている、という部分に対するもやもやがある。中にいる人たちにとってはそんなの関係ないだろうし、そもそも本質って何やねんいちいち歴史追わないといけないのか、というのも分かる。Vtuberもキズナアイが体力測定やってる時期あたりまでは面白かったけどそこから先は結局キャラ文化に飲み込まれていってしまうのねという寂しさはあった、あとみんなやっぱり匿名性というか別人格が欲しかったのねという話をこの前した。これは本当に関係なかった。

 で、"Age Of"のアルバムで取り上げられてるアートワークはJim Shawの"The Great Whatsit"という作品らしく、それ自体は上記レビューでも書いたんだけど、このイラストはまさに前述のポップ的消費のやり方を逆手に取っていて、つまり絵の中でMacbook Proの前に立ち目をキラキラ輝かせているのはポップ的なヴェイパー感を消費している僕たちであり、それらがレトロタッチに書かれているという構図になっている。その中で僕たちはブラクラによって開かれ続けるウィンドウであり、「お前を消す方法」と記入され続けるカイル君である。

 ある程度とっちらかったところで書く気力がなくなったので終わり。上記の記事、4,000字くらいありますが時間があればどうぞ。

26歳

18年5月5日で26歳になりました。よく生きた。

最近考えるようになったのは「人生に無駄ってやっぱりあるのかもしれないな」ということで、今まで僕はどちらかと言うと「経験した全てのことはこの先の糧になる」とか「全てには意味がある」ということを信じて生きてきて、それ故に「人生には乗り越えられる試練しか起こらない」的な発想をなんとなく受け止めていたんですが、それにしては最近人生は俺のことをナメにかかっているような気がするし、その間に周りの友達やら同級生やらはどんどん立派になっていくし、もしくは死んじゃったりするし。環境がちょっと違ったり選択肢を少し別のものにしていれば俺だって安定剤を服用していたかもしれないし、もっとまともなあるいは悪い状態になっているかもしれないのだけれど、とりあえず今の俺は俯瞰してみても「停滞」としか言わざるを得ない状況に陥っていて、最悪(?)このまま一生を終えるような気もしてしまう。これは『Plateau』なんて作品を出したことによる呪いのような気もする。あれだって実質1年以上前の作品だし。

アルバムを出してからというものの、全然作品を作るということが出来ていない。これには物理的な事情があって、音源ライブラリを入れていた外付けHDDの調子が悪くなってしまっていて、新しく買い替えなければ今までの状態で作業することが出来なくなってしまっている。ついでに今のMacbook Proもそろそろ買い替えたいし、それに応じて色々な機材を…とか考えているうちに「制作」そのものがどっか隅に追いやられてしまっているのである。これでも同じ年代の人間の中では考えるべきことが流石に少なすぎているんだけれど、僕は「選択」が気に病むほど苦手なので、これだけのことで何も手につかなくなること自体は自分の中で織り込み済みである。とりあえず26歳のうちにはひとまとまりの「作品集」を作り上げることを目標の一つにはしているんだけれど…。

俺よりよっぽど面白いし賢い人が、だけれど(だからこそ?)安定の道を選んで、そこそこのぬるさの中に自分の場所を見出すというのは理に適っているような気もする。でも自分のメンタルの不安定さを憂慮して、あえて停滞的な道を選んだ自分からすると、そういうのを見ているだけでなんとも言えないもどかしさもあるし、自分がそういう理由だけで今の仕事を選んだ浅はかさが突き刺さってしまう。成果報酬型の人生はしんどいと思っていたが、「気持ち」とか「しきたり」それらで立ち位置を決める生活もかなり厳しいことが分かってきた。精力的な人間なら高校生の段階で気づいているようなことを、26歳でやっと気付くんだからもはや手遅れの気配すらある。手遅れなりにこれからの道すじを検討していきたいがゆえに色々な人と話す機会を設けるべきではとも思ったが、もはや自分の人生のために他人を巻き込むこと自体が面倒という気がしてきている。どこか遠くに行きたいという感情も現実味を帯びてきたが、それでも根幹的な「人と関わる」ことのしんどさが解けることはないような気がする。

考えれば考えるほど「とりあえず痩せることから」という気がする。とはいえ今以上に「計画する」ということがだるいと感じる時はなかった気がする。だるい。26歳はだるさで始まりました。どうぞよろしく。

丸腰の2018年

2018年早々からアキラ100%が芸を失敗し軽い放送事故を起こしたことがニュースになっていた。実際茎の根っこが多少見えたくらいの事故ではあるにしろ、放送基準で言うと事故も大事故だし、常にギリギリの中でネタをやっていたという期待値もあって、雰囲気としては待望のニュースという感じもあった。

ともあれ、このニュースに限らず、年末年始は「笑い」という領域の危うさを想起させる出来事が多いように感じた。タブーのボーダーラインを綱渡りしたり、それを意識させるようなことは今後容易く行われてはいけないとは思いつつ、笑いを取り扱うことに慣れていないこっち側は、笑ってはいけないのか、また、笑ってはいいのかの判別がしっかりついていないケースもある。感情を取り扱うこと、その結果を見世物にすることの是非は、考えれば考えるほどに複雑で、単一の答えは出てこない。表現をするというのは基本的には賽を投げることであって、理論やマーケティングは心を落ち着かせるためのルーティーンに過ぎない。

 

1月2日。護摩札を返納するために近所の寺に向かって歩いている。その最中にこの文章を書いている。厄年が終わってもまだ厄が終わった気がしないのは、去年初めて行なった厄除の効果がてきめんだったためだと思うことにしている。「厄年に手に入れたものは厄年のうちに失っちゃうように出来ているんだね」という言葉を思い出して、それならむしろこれからの方が大変なんじゃないだろうか、とも思う。

六星占術の結果によれば、僕は大殺界の3年間と厄年の3年間が丸々被っているらしかった。真面目に計算するとそもそも人生の半分が殺界・大殺界になるらしいのだが、それにしても身の振り方を弁えるための警鐘としてこれほどちょうどいいものは無かった。

吹雪が来たなら、動かずにじっとしていることがどの場合においても最善手である。僕は3年の間それをきっちりと守った。どうしようもなく真面目なのである。そしてその結果、3年間で学んだことは、理論上の最善手は現実の最善手ではないということだ。ましてや吹雪が来ていない状況下であるのなら。

年が明けて、恐ろしく身体が軽くなることも無ければ、急にモテモテになることもなく、当たり前のように正月が始まった。厄年の3年で得たものどころか、後ろ盾にする言い訳も失った。自業自得である。今年5月には26歳になって、アラサーの称号も獲得目前である(僕は27歳からがアラサーだと思っているけれど)。本当は腰が抜けて立てなくなるほどの脱力感に襲われてすらいるけれど、とりあえず立ち上がる所から始める。『三年寝太郎』よろしく、3年考えたら手際よく行動しても良い頃なのである。

 

お寺に到着したので、護摩札を返納。お焚き上げ所とは名ばかりの預かり所に札を入れて、そそくさとその場を去る。